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キャッシュフローとは

キャッシュフローとは

一般的に決算書と呼ばれるものは、会社法等の法令上は「財務諸表」という名称です。
日本の会計制度では、財務諸表は主に、貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュフロー計算書(C/F)・株主資本等変動計算書で構成されます。今回は、その中から「キャッシュフロー計算書」をご説明したいと思います。

税理士法人 藤井会計事務所|歯科経営コンサルティング|経営コンサルティング|資産税コンサルティング|各種税務・会計業務|東京都千代田区

国際会計基準委員会(IASC)が公表する会計基準書です。各国の会計士団体の同意によって設立された委員会でもちろん日本も参加しています。この委員会は各国の公認会計士団体により運営されており、民間の団体です。
日本での会計制度改革は1999年より段階的に実地され、IASとさほど変わらなくなりました。この改革により日本でもキャッシュフロー計算書が取り扱われるようになったのです。
今日の経営環境は企業人に対して大きな変化をもたらしています。
これまでは企業を支えていた金融機関は多大な不良債権によって自分自身を守らなくてはならなくなりました。貸はがしや貸し渋りも多くなり、企業としては金融機関を頼りにしてはいけない時代がやってきたといえます。
そこで、損益計算(利益)だけを見ていけばよい時代は終わりをつげ、資金の流れ(キャッシュフロー)が重要視され始めたのです。キャッシュフロー経営が今後、大きな意味を持ってくるようになったのです。

2.キャッシュフローとは?

例1 売上高 2000万円 総費用 1800万円 のA会社
仮に売上高が全額現金で回収され、総費用を全額現金で支払っていたとします。
このA会社の利益は・・・2000万円-1800万円=200万円となります。
このA会社のキャッシュフローは・・・
2000万円-1800万円=200万円
このような場合には利益、キャッシュフローとも200万円で同額になります

例2 上記した【例1】の総費用の中に減価償却費(買った時点で現金を払っている)が300万円入っているとします。そうすると損益計算の総費用は1800万円のままですが、収支計算(現金の増減)の方は・・・
1800万円-300万円(減価償却費)=1500万円となります。

損益計算 収支計算
売上高 2000万円 売上高 2000万円
総費用 -1800万円 総費用 -1500万円
利 益 200万円 現金増加 500万円

3.キャッシュフローの考え方

1.直接法と間接法
キャッシュフローには直接法による表示と間接法による表示があります。直接法とは、収入から支出を差引いて計算します。間接法とは税引前利益から減価償却費等を加算することにより計算することです。
直接法・・・収入-支出
間接法・・・税引前利益+減価償却費+その他の増減
※直接法、間接法は営業キャッシュフローを作成する時に手法が違うだけで、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローは直接、間接の違いはありません。

2.営業キャッシュフロー
実際の営業活動からどのくらい現金が得られたかを意味しています。まずは、営業段階で現金の増加があるかどうかを見ていきます。

3.投資キャッシュフロー
実際の設備投資や有価証券(資金の減少)とそれらの売却した額(資金の増加)から計算します。この増減で企業として今までの投資したものがどのくらい反映されているか見ていきます。また、今後の投資計画を行うことになります。

4.財務キャッシュフロー
長短期の借入金の増加額(資金の増加)と借入金の返済額(資金の減少)等から計算します。ここでは最終の金額が出てきますので、どの様に借入を申し込むのか、何時どの時期にいくら位必要なのかを判断します。

4.キャッシュフローの作り方

●営業キャッシュフロー

直接法 キャッシュフローとは
直接法は上記で書いた通り収入-支出で表されます。
ただし営業キャシュフローを作成いたしますので、収入(営業収入)は下記のようにして計算します。

支出は営業キャッシュフローを作成する時には、主に以下の勘定を計上します。
営業支出は・・・
営業費用、減価償却費、棚卸資産の増減、前払費用の増減、仕入債務の増減、受取利息受取高、支払利息支払高、納税額

間接法
間接法では、税引前利益+支払利息-受取利息+その他の増減を計算します。これは営業利益をあらわしています。営業キャッシュフローにおいて基盤になるものは営業利益でありますので、このような計算をしています。直接法においては、売上高-営業費用となります。
その他の増減の項目で主なものを下記に記載します。
減価償却費、売上債権の増減、棚卸資産の増減、前払費用の増減、仕入債務の増減、受取利息受取高、支払利息支払高、納税額

売上債権の増加はその分現金を回収していませんのでキャッシュフローを減らし、又、棚卸資産の増加分はその分だけ支出を増やすことになりますので、キャッシュフローを減らします。仕入債権の増加は支出を抑えることになりますのでキャッシュフローを増加させます。
簡単に言うと実際に現金が出ていないものをプラスし現金が出ているものをマイナスするということです。
受取利息受取高と支払利息支払高は実際の収支を計上します。未収利息や未払利息がある場合には下記のように計算します。

納税額につきましても下記のように計算します。
納税額=前期未払税金+法人税等(P/L※)-当期未払税金
※は損益計算書のこと

●投資キャッシュフロー、財務キャッシュフロー

  • 有価証券の取得及び売却、有形固定資産の取得及び売却
  • 連結範囲の変更に伴う子会社株式の取得及び売却
  • 貸付による支出、貸付金の回収による収入

●フリーキャッシュフロ
営業キャッシュフローからその企業が事業活動を維持する為の再投資額を差引いたものです。簡単に言えば、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足したものになります。その企業が自由(フリー)に使用することが出来ることを意味しています。これからの企業にとって自由に使える金額がどのくらいあるかを知る重要な数字となります。

5.キャッシュフロー計算書を作成しましょう

●営業キャッシュフロー

直接法
【営業収入】
売上高のところには損益計算書の売上高の金額をそのまま入れてください。つぎに売上債権の増減の金額ですが貸借対照表の売上債権の蘭の前期と当期を見ていただきます。前期から当期は増加していますので、
27500-31800=△4300になります。よって売上債権の増加になり△4300となります。

【営業支出】
営業費用・・・・・・売上原価と販売費・管理費を足します。
75300+20100=95400
金額を営業収入から引きますのでマイナスになります。
減価償却費・・・・・当期の減価償却明細の合計の金額を使い、金額が出てないものなのでプラスです。
棚卸資産の増加・・・貸借対照表の当期から前期を引きます。
14800-12200=2600
棚卸資産の増加は支出のプラスです。
前払費用の減少・・・貸借対照表の当期から前期を引きます。
2200-2900=△700
前払費用は当期金額が減っているので支出のマイナスになります。
仕入債務の増加・・・貸借対照表の当期から前期を引きます。
22100-21800=300
当期の金額が増えているので支出のマイナスになります。
受取利息受取高・・・損益計算書の金額です。支出のマイナスになります。
支払利息支払高・・・損益計算書の金額です。支出のプラスになります。
納税額・・・・・・・前期未払税金+当期法人税等-当期未払税金となりますので下記の計算式となります。
800+2100-1100=1800 支出のプラスになります。

間接法
先ほども述べましたように間接法は税引前利益+支払利息-受取利息から営業利益を算出して計算を始めます。ここでは損益計算書の経常利益が法人税等を引く前の利益となっていますから、4200+300-100=4400となります。そこから減価償却費や個々の増減を増加させていきます。内容に関しては、直接法と一緒ですので参考にしてください。そうすれば間接法のキャッシュフロー計算書は完成します。
ここまでで、営業キャッシュフローは完成していると思います。

●投資キャッシュフロー
建物・・・貸借対照表の建物を見ていただくと当期が前期よりも多くなっています。ここで購入したことがわかると思います。通常、固定資産は購入しない限り当期が前期より増加することは考えられないからです。又、建物の減価償却費を計上しているはずなので、減価償却分だけ減少することが通常です。よって建物の投資額=前期の金額-当期の金額-建物減価償却費となります。
4500-4800-100=△400
400万円のものを購入していることになります。
什器備品・・・同じように什器備品を計算すると
3800-4200-300=△700
700万円の投資をしていることになります。
車両運搬具・・・車両運搬具も計算しましょう
1500-1700-200=△400
400万円の投資をしていることになります。

●財務キャッシュフロー
短期借入金・・・貸借対照表の当期が前期よりも増加していますのでその増加分が財務キャッシュフローの増加になります。
10900-9500=1400
長期借入金・・・短期借入金と同じように計算しましょう。
18200-17000=1200
配当金・・・・・当期に行われた利益処分の蘭のⅡ利益処分額に配当金の金額がありますので財務キャッシュフローのマイナスになります。

直接法キャッシュ・フロー計算書

そして、「キャッシュ・フロー経営」という用語も生まれました。損益計算書上の利益の追求はもちろんですが、“どれだけのキャッシュを稼ぎ出し、フリー・キャッシュ・フローをどれだけ増やすか”を重視する経営です。最近では不正会計を起こした東芝が、「当期利益至上主義を脱却し」、「キャッシュフローに重点を置いた業績評価」に移行すると宣言しました*。
* 東芝 (2015年9月7日) 『過年度決算の修正、2014年度決算の概要及び第176期有価証券報告書の提出並びに再発防止策の骨子等についてのお知らせ 別紙 再発防止策の骨子について』。

また三菱商事は、収益性の高い資産への入れ替えを促進するために、部門別のフリー・キャッシュ・フローを算出し、部門別の現金収支の管理を徹底していくとしています*。 キャッシュフローとは キャッシュフローとは
*「三菱商、現金収支の管理徹底 全部門、3カ年で黒字に」『日本経済新聞』2016年6月23日、朝刊。

2 直接法のキャッシュ・フロー計算書

2.1. 直接法と間接法

*1 他には、特別退職金の支払額、役員退職慰労金の支払額、災害損失の支払額、補助金の受取額、補償金の受取額、保険金の受取額、賃貸料の受取額、移転費用の支払額、などの記載事例があります。
*2 他には、無形固定資産の取得による支出(売却による収入)、定期預金の預入による支出(払戻による収入)、敷金及び保証金の差入による支出(回収による収入)、短期貸付けによる支出、短期貸付金の回収による収入、長期貸付けによる支出、長期貸付金の回収による収入、などの記載事例があります。
*3 他には、社債の償還による支出、株式の発行による収入、などの記載事例があります。
*4 この調整項目も会社によりますが、20項目前後の調整項目があります(次項参照)。

2.2. 直接法のキャッシュ・フロー計算書の長所と短所

(1)直接法のメリット

*1 「キャッシュ・フロー会計情報と企業価値評価―九州地区の中小企業をめぐる実証分析」 税務経理協会 岡部勝成 2010/03 キャッシュフローとは 45ページ。直接法と間接法のキャッシュ・フロー計算書の有用性にかかる書籍や論文を渉猟した限りでは、この文献に長所がもっとも網羅的かつ明瞭に書かれているようでしたのでここに引用させていただきました。
*2 IASB(国際会計基準審議会)が2001年10月に審議し、直接法だけを認めました(原則10「キャッシュ・フロー計算書」)。IASBは、直接法だけを認め、間接法を認めない理由を3点あげており、これはそのうちの1点です。要するに当期純利益に対する調整項目が増えてきて、当期純利益と営業活動によるキャッシュ・フローの差額を理解することが難しくなったということです。ある研究で実際に調査すると、当期純利益に対する調整項目は1社平均16.6項目もあり、そのうち2社は24項目もあったそうです。しかもこの調整項目は分類されておらず、配列の順序も一様ではないため、非常にわかりにくくなっているとされます。(鎌田信夫 (2002年) 「業績報告書としてのキャッシュ・フロー計算書–IASB原則書案に関連して」 『産業経済研究所紀要』 第12号 86ページ。)

(2)直接法のデメリット

3 直接法による作成が今まで難しかった理由

将来キャッシュ・フローを予測する点では直接法の方がよいとされながらも、前項のデメリットにより、直接法を作成している企業はほとんどいません。
東証と名証のそれぞれ第一部と第二部に過去11年間継続して上場していて連結財務諸表を作成している企業1,765社中、直接法を採用している企業は1社もありません。*
* 日本政策投資銀行設備投資研究所編 (2015年) 『産業別財務データハンドブック 2015』 日本経済研究所。また、その他の市場まで含めても、直接法を採用する上場会社は10社程度にすぎないそうです。(桜井久勝 (2015年) 『財務諸表分析〔第6版〕』 中央経済社、100ページ)。

その具体的な原因は、多くの企業は損益計算を中心に組み立てられた会計システムを用いており、直接法に必要なデータを収集する会計システムを持っていないためです。*
* 永田靖 (2010年) 『キャッシュ・フロー会計情報論―制度的背景と分析手法(広島経済大学研究双書)』 中央経済社、91ページ。

4 将来キャッシュ・フローを予測するうえでの有用性

5 TMSで直接法キャッシュ・フロー計算書を作る意義

(1)利益確定を待たずにいつでも見られる キャッシュフローとは
TMSで作る場合は、インプットが毎日銀行から自動受信する銀行明細になります。したがって、決算による利益確定を待たずして、いつでも前日時点のキャッシュ・フロー計算書を見ることができます。

(2)事業ごと、会社ごとなど、柔軟な切り口で見られる
将来キャッシュ・フローを予測するという観点では、連結によるグループ全体だけではなく、事業別や会社別等のセグメントごとに見て分析をしたいはずです。しかし一般に、セグメント別に当期純利益は算出されていません。TMSでは銀行取引1件ごとを集計して直接法キャッシュ・フロー計算書を作成しますので、その表示する切り口を変えることによってセグメントごとの営業キャッシュ・フロー計算書がいつでも見られることになります。

(3)時系列の比較ができる
決算時点だけでなく、常にキャッシュ・フローが捉えられ、データベースに蓄積されているため、時系列で比較をすることができます。四半期ごとに限らず、月次、さらには週次、日次で把握できます。これは、経営計画や事業の進捗を把握するために時系列に見る時には不可欠なことです。とくに、季節性がある事業や企業には月次、週次推移は特に有効であると思われます。また、キャッシュ・コンバージョン・サイクルを短縮しようとする企業などは、キャッシュの日次の動き、ときには日中の動きも把握して、非常に精緻な管理をしています。

6 TMSによる直接法キャッシュ・フロー計算書の作成方法

6.1. 基本的な作成方法

6.2. TMSで作る場合の制約
TMSからキャッシュ・フロー計算書を作る場合にも若干の制約はあります。

(1)インプットデータ次第であること
銀行から送られてくる明細のデータでキャッシュ・フローを特定します。明細のデータだけでは不十分な場合、入出金予定のデータで補完します(後述)。これらのデータが正しくキャッシュ・フロー計算書の項目と紐づけられるかがカギとなります。キリバでは、データ上のコード(取引コード、科目コード等)だけでなく、摘要欄の文言もその紐づけのキーとして使えますので、ある程度細かく紐づけられますが、その精度は銀行と予測のデータの内容次第であることは否めません。

(2)TMSを導入できる会社が対象であること
取引銀行からデータを自動で取得できない会社は、キャッシュ・フロー計算書を自動で作成することは難しくなります。当該子会社に対する資本構造や支配力等諸般の事情で、その子会社にTMSを導入できない場合や、その子会社からデータを取得できない場合については、同じ仕組み、同じ粒度で直接法キャッシュ・フロー計算書を作成することはできません。持分法適用会社などは容易ではないかもしれません。

6.3. TMSでの具体的な作成方法
TMSでのキャッシュ・フロー計算書の作り方を、キリバを例に具体的に説明します。キリバでは、グローバルの資金ポジションを一覧表示する「資金ポジションワークシート」を使います。いくつかの切り口で表示できるようになっていますので、キャッシュ・フロー計算書の項目で表示させます。

(1)データのマッピング
銀行取引をキャッシュ・フロー計算書の所定の項目に紐づけて表示するために、各銀行取引に以下の手順でコードを振ります。

(図4)予実の基データからキャッシュ・フロー計算書を表示させるまでの流れ

(2)グループ内取引の扱い
連結会社相互間で発生したキャッシュ・フローの相殺消去については、実際にキャッシュの動きがあるので、そのまま表示されますが、入金側はプラスの数字で、出金側はマイナスの数字で表示され、合計は差し引きゼロとなりますので問題ありません。むしろ純額にならず総額で表示される利点があります。グループで見れば相殺され、個社別に見れば、連結会社取引として表示され、特段の相殺等の操作をすることなく、ワークシートの表示条件を切り替えるだけですみます。

(3)「現金及び現金同等物に係る換算差額」の作り方
この項目はキャッシュ・フロー計算書上で、ただ一つの実入出金を伴わない項目です。為替変動による前期末残高との差額を表示するものですが、実入出金を伴わないため、仮想口座を作り、この換算差額を期末時点のキャッシュ・フローとして作り、この仮想口座に入れます。

6.4. 営業活動によるキャッシュ・フロー(小計より上)のモニタリング
以上でTMSによる作成方法を述べましたが、実務面を考えると意味があるのは、営業活動によるキャッシュ・フローのうち小計以上である、「営業収入」「仕入支出」「人件費支出」「その他の営業支出」に限って作成して、モニタリングしていくことがよいと考えます。

上場企業が開示する決算短信のキャッシュ・フロー計算書について解説

及川浩次郎

株式投資には、企業が開示する情報を活かす必要があります。企業が開示する情報の一つに、決算短信というものがあり、 決算短信とは企業の決算発表をまとめた書類のこと です。
決算書のうち、財政状態計算書(貸借対照表)と損益計算書については、どんな財務諸表で、何の目的で開示するのか、どのように分析するのかなどは知られています。一方、もう一つの財務諸表であるキャッシュ・フロー計算書は、2000年3月期から作成、開示を義務付けられたため、どんな財務諸表で、何の目的で開示するのか、どのように分析するのかなどあまり知られていません。そこで、今回はキャッシュ・フロー計算書について、詳しく説明します。

会計ビッグバン

会計ビッグバン

会計基準の世界標準化の流れにより、2000年3月期の決算から、 キャッシュ・フロー計算書の作成、開示が義務付け られ ました。1990年代後半から日本の会計制度を国際会計基準に近づけるために大きな変化があり、それは「 会計ビッグバン 」と呼ばれています。
企業が海外進出を活発化することにより、投資資金が国境を超えることが一般的になりました。国際化に伴い、企業会計の管理方法を国際基準に合わせて、国際間の比較検討をできるように、連結財務諸表の重視、金融商品の時価評価、税効果会計、退職給付会計、減損会計等の基準が導入されることになりました。その流れのなか、キャッシュ・フロー計算書の作成、開示が義務付けられました。

キャッシュ・フロー計算書とは

キャッシュ・フロー計算書は、 財政状態計算書(貸借対照表)や損益計算書と相互に密接に関係 しています。期首の貸借対照表の現金預金と期末の貸借対照表のキャッシュが増減となったかを説明する役割を担っています。損益計算書との関係では、損益計算書で計算された利益がどの程度キャッシュを企業に流入させたかを説明する役割を担っています。キャッシュ・フロー計算書の評価目的は、 ①現金創出能力の評価、②支払能力の評価、③利益の質の評価 となります。キャッシュ・フロー計算書の構造は、企業活動を営業活動、投資活動、財務活動に分類して表示する3区分法となっています。

キャッシュフロー計算書とは?目的と構成 【シリーズ:経理のはなし8 初心者向け】

キャッシュフローとは


一般的に決算書と呼ばれるものは、会社法等の法令上は「財務諸表」という名称です。
日本の会計制度では、財務諸表は主に、貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュフロー計算書(C/F)・株主資本等変動計算書で構成されます。今回は、その中から「キャッシュフロー計算書」をご説明したいと思います。

■ キャッシュフロー計算書はなぜ必要なのか?

簡単な例を挙げてみましょう。
損益計算書上の当期利益 1億円(以下の処理以外は補正済みとする)
・当期3,000万円の固定資産を購入した
・パソコンの減価償却費は1,000万円である
この場合のキャッシュフロー額は
1億円-3,000万円+1,000万円=8,000万円(この計算の意味は後ほどご説明します)
当期利益は1億円ありますが、手持ちの資金は8,000万円です。
この2,000万円の差を説明するのがキャッシュフロー計算書です。一般的に、損益計算と現金などの収支を補正することが目的です。

■キャッシュフローとは

キャッシュフロー作成


キャッシュフローとは、現金や現金等価物の増減のことを指します。
財務諸表を作成する目的は、会社の利害関係者(株主、従業員、取引先など)に会社の状態を報告することです。その中の貸借対照表は、決算日の会社の財産の状況を報告し損益計算書はその事業年度の経営成績=どれだけの利益を獲得できたか?を報告します。
ここで問題となるのは「獲得した利益=現金等の増加額」ではないということです。
例えば、損益計算書上1億円の当期利益が計上されていても、その1億円の入金予定が1年以上先であったとすれば、その会社は資金繰り次第で倒産してしまう可能性があります。一方で、草創期のIT企業の多く(アマゾンなど)がそうであったように、多額の赤字を計上していても運転資金などを投資家や金融機関から調達することで損益計算上の危機を乗り切って大企業に成長する例もあります。
このように、現実の収入や支出=収支(キャッシュフロー)と損益にはズレが生じます。つまり、損益計算書と貸借対照表だけでは”使えるお金=会社の体力”がいくら増えたのかがわからないということになります。
したがって、キャッシュフロー計算書の目的は「損益と収支のズレを補正して現金の増減がどれだけあったのか」を報告することと言えるでしょう。

■ 損益計算の原則 発生主義と現金主義

損益を計算するための原則の一つに”発生主義”が挙げられます。
発生主義とは、「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。」(企業会計原則より)というものです。
わかりやすく言えば、「取引が発生したら仕訳をしましょう」ということです。そして発生主義に対する考え方に”現金主義”があります。
「9月1日に商品を1万円で販売し、10月1日に1万円が普通預金に振り込まれた」という具体例で考えてみましょう。
・発生主義による処理

9/1 借方:売掛金 10,000円 貸方:売上高 10,000円
10/1 借方:普通預金 10,000円 貸方:売掛金 10,000円

これにより、損益計算上は9月に10,000円の収益が計上されることになります。
・現金主義による処理

9/1 仕訳なし
10/1 借方:普通預金 10,000円 貸方:売上高 10,000円

この結果、損益計算上は10月に10,000円の収益が計上されることになります。
・期間損益という考え方
先程も述べましたが、損益計算書は「一定期間(事業年度)の経営成績」を報告するものです。この一定期間の損益のことを「期間損益」といいます。
先ほどの具体例に「決算日 9月30日」という条件をつけてみます。そうすると発生主義と現金主義では、それぞれの期間損益(前期の利益と当期の利益)に10,000円のズレが生じていることがわかると思います。
経理処理方法の違いによる期間損益のズレをなくすために「損益計算は発生主義で処理しましょう」というルールが生まれました。

■ 損益と収支がズレる代表例

キャッシュフロー計算書を作成する上では、発生主義と現金主義の違い以外にも損益と収支を補正する必要があります。代表的なパターンを挙げてみましょう。
・パターン1
現金を支出していないが費用が計上できる場合・・・減価償却費や引当金など
この場合において、購入した固定資産を費用化するために減価償却という方法による減価償却費計上します。この減価償却費や、賞与や退職金などの引当金は、現実に費用を支出を伴わないため、期間損益と収支の補正が必要となります。
・パターン2
現金を支出したが費用とならない場合・・・建物や車両などの固定資産を購入した場合など
この場合、現金や預金などは支出されますが、損益計算上は固定資産の購入は費用として処理することはできません。
※最初に挙げました例はこれらでご理解できたでしょうか?
・パターン3
現金の増減はあるが損益に関係ない場合・・・借入や資本金の変動
運転資金を金融機関などからの借入金で賄った場合など、現金は増加していますが借入金は収益ではありませんので損益計算にはあらわれません。このような場合もキャッシュフロー計算書では補正します。

■ キャッシュフロー計算書の構成

CFテンプレート

出典 中小企業庁 「キャッシュフロー計算書の様式例」 を ※一部加工http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/kaikei38/kaikei35.htm

キャッシュフロー計算書は企業のどのような活動によってキャッシュフローの増減がもたらされたかをあらわします。その活動は次の3つに区分されています。
・営業活動によるキャッシュフロー
営業損益に関する取引のキャッシュフローをあらわします。(パターン1)
・投資活動によるキャッシュフロー
営業活動以外での資産に関するキャッシュフローをあらわします。(パターン2)
・財務活動によるキャッシュフロー
営業活動以外での負債と純資産の部に関するキャッシュフローをあらわします。(パターン3)
キャッシュフロー計算書の大まかな説明は以上です。もっと詳しい内容についてはまたの機会にご説明したいと思います。また、キャッシュフローに関する書籍も多数発売されていますので、もう少し勉強してみたいという方はぜひご覧になってください。

キャッシュ・フロー計算書

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