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ストックオプション会計

ストックオプション会計

インセンティブ報酬の会計処理

企業会計原則第二一Aにおいて、「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない」とあり、役務の提供を受けた場合、その費用は現金支出額によって測定されます。
しかしながら、インセンティブ報酬のうち、「自社株式オプション型報酬」や「自社株型報酬」は、新株予約権や株式が交付されるものであり、現金支出を伴いません。このように、現金支出額で費用計上額を測定できない場合には、「提供されるサービス」と「対価としての財貨」が等価で交換されていることを前提に、両者のうち、いずれかより高い信頼性をもって測定可能な額に基づいて費用計上額を測定することが考えられます。企業が取得するものが従業員等から提供されるサービスである場合、一般には当該サービスを信頼性をもって測定することができないことから、その金額は付与された新株予約権や株式の価値で算定することになります。
企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」(以下「ストック・オプション会計基準」という)では、このような考え方から、報酬費用の計上額をストック・オプションの公正な評価額に基づいて算定するとされています(ストック・オプション会計基準第5項)。
ここで、報酬費用の測定に際して、新株予約権や株式のいつの時点の時価を用いるか、という論点が生じます。この点、考えられる選択肢として、「付与日」「勤務日」「権利確定日」「勤務終了日」「行使日」などがありますが、ストック・オプション会計基準では、付与日現在のストック・オプションの公正な評価単価で算定し、条件変更の場合を除き、その後は見直さないとしています(ストック・オプション会計基準第6項(1))。研究報告でも、費用計上額に焦点を当てた検討、発行されるオプション又は株式に焦点を当てた検討から、「自社株式オプション型報酬」や「自社株型報酬」の時価測定の時点は付与日(契約締結日)とされています。
一方、「株価連動型金銭報酬」の場合は、その報酬は現金で支払われることから、その支出額を合理的に見積もって負債(引当金)として計上することになります。研究報告では、株価連動型金銭報酬に係る引当金の計上額は、単価(期末)×仮想交付株式数(見込)×(既経過月数÷総月数)によって算定するとされています。

2.費用化の期間(認識)

前述の企業会計原則第二一Aに記載のとおり、企業が役務の提供を受けた場合、発生主義により費用を認識します。通常の金銭による固定報酬であれば、ある月の勤務に対して支払われる給与は、規程等に基づき計算され費用計上されます。一方、インセンティブ報酬の場合は、「提供されるサービス」が複数年度にわたることが多く、費用化の期間を検討する必要があります。
ストック・オプション会計基準では、ストック・オプションの公正な評価額のうち、対象勤務期間を基礎とする方法その他の合理的な方法に基づき発生したと認められる額を各事業年度(会計期間)に費用計上することとされています。ここで対象勤務期間とは、「ストック・オプションと報酬関係にあるサービスの提供期間であり、付与日から権利確定日までの期間をいう」とされています(ストック・オプション会計基準第2項(9))。
ストック・オプション以外のインセンティブ報酬についても、サービス提供期間に基づいて費用化する点は変わらないと考えられます。ただし、さまざまなスキームが存在することから、その実態を適切に分析する必要があり、必ずしも規程上ないし契約上の名目的なサービス提供期間を単純に費用化の期間とするとは限りません。たとえば、譲渡制限付株式を用いたスキームでは、譲渡制限期間も判断の1つの要素となりえますが、業績評価期間、権利不確定(事前交付型における無償譲受を含む)の条件や役員を対象とする場合にはその任期とすることも考えられます。

3.相手勘定の計上区分

相手勘定の計上区分は、支払いの対価が現金ではなく、新株予約権や株式であることに起因する論点になります。したがって、検討にあたっては、交付する資産が何かがポイントになります。
一般的に、負債は、「過去の取引又は事象の結果として、報告主体の資産やサービス等の経済的資源を放棄したり引渡したりする義務」とされ(企業会計基準第5号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」(以下「純資産の部会計基準」という)第19項)、純資産は、資産と負債の差額とされています。
また、新株予約権は、「将来、権利行使され払込資本となる可能性がある一方、失効して払込資本とはならない可能性もある」ことから、その性格が確定していません。しかしながら、新株予約権は返済義務のある負債ではないことから、純資産の部に記載することとされており(純資産の部会計基準第22項(1))、「自社株式オプション型報酬」の場合の報酬費用の相手勘定は新株予約権として純資産の区分に計上されます。
事前交付型の株式報酬では、対象となる役員等へ金銭債権等を付与し、役員等が当該金銭債権等を現物出資として払い込み、株式を発行するという手続きが制度制定の当初に行われます。役員等による金銭債権等の現物出資は、株主との直接的な取引と考えられることから、貸借対照表の貸方項目の区分は、株主資本になると考えられます。
事後交付型の株式報酬は、初年度(スキーム導入時)に対象となる役員等への金銭債権等の付与の決議を行い、一定の業績等連動期間後に付与された金銭債権等が現物出資財産として払い込まれ、株式が発行されます。現行の会計基準のもとでは、役員等への金銭債権等の付与の決議時点では、株式や新株予約権の発行がなく、また、何らかの義務が生じている状況にもないことから、会計処理は行わず、業績等連動期間の各期末日に負債(引当金)を計上することが考えられます。
事後交付型の株式報酬は、企業が一定の条件を満たすサービスの提供を期待して、企業と役員等との間にいわば条件付きの契約が締結されていると考えられる点において、自社株式オプション型報酬と類似しています。しかしながら、純資産の部の表示項目が限定列挙とされている点(純資産の部会計基準第7項)から、報酬費用の相手勘定は負債になると考えられます。この考え方に基づくと、ストック・オプションや事前交付型と事後交付型では、報酬費用の相手勘定の計上区分が異なることになります。また引当金は期末ごとに最善の見積りを行うことから、株式報酬の付与日(契約締結日)を測定の基準日とするストック・オプションや事前交付型とは費用化される金額が異なる可能性があります。
株価連動型金銭報酬は、交付する対価が現金であるため、その金額が株価に連動しているとしても報酬費用の相手勘定は純資産(資本)には該当せず、将来において企業が役員等に対して現金を支払う義務を負っている点から、負債(引当金)になると考えられます。前述のように、引当金の計上額は、単価(期末)×仮想交付株式数(見込)×(既経過月数÷総月数)によって算定します。単価の測定に際しては、期末日の株価等を基礎として算定され、時価の変動に応じて評価額を見直すことになり、付与日(契約締結日)以後の事後的な株価の変動を見直さないストック・オプションや事前交付型と異なる可能性があります。
以上の考えをまとめると、図表2のようになります。

Q&Aストック・オプション会計の実務ガイド

第1章 ストック・オプションと会計基準
Q-1 ストック・オプションの意義
Q-2 米国におけるストック・オプションの動向
Q-3 わが国の会計基準の公表の背景
Q-4 会計基準のポイント―費用処理の必要性
Q-5 会計基準のポイント―付与日・権利確定日・権利行使日・
失効する日の定義
Q-6 米国のストック・オプション会計
Q-7 国際財務報告基準のストック・オプション会計
Q-8 ストック・オプション会計基準が企業に及ぼす影響
Q-9 ストック・オプション会計基準が投資家に及ぼす影響
Q-10 適用時期
■第1章のまとめ

第2章 会計基準の適用範囲
Q-11 適用すべき会社
Q-12 役員・従業員等
Q-13 仕入先
Q-14 株主や取引先全般
Q-15 株式増価受益権
Q-16 買収防衛策
Q-17 退職すると失効するケース
Q-18 自社株式を直接付与するケース
Q-19 従業員持株会への拠出
■第2章のまとめ

第3章 ストック・オプションの会計処理
Q-20 権利確定日以前と権利確定日以後の会計処理
Q-21 ストックオプション会計 権利確定日以前の会計処理―付与した年度の仕訳
Q-22 費用計上すべき金額の算定―公正な評価額
Q-23 費用計上すべき金額の算定―価格・数量・各会計年度発生額
Q-24 費用計上すべき金額の算定―権利不確定による失効の見積り
Q-25 権利行使日の仕訳―新株発行のケース
Q-26 権利行使日の仕訳―自己株式を割り当てるケース
Q-27 ストックオプション会計 権利不行使による失効の仕訳
Q-28 ストック・オプションの取消しの仕訳
Q-29 段階的に権利行使が可能となるストック・オプション
■第3章のまとめ

第4章 ストック・オプションの公正な評価単価
Q-30 公正な評価単価
Q-31 算定技法の例―ブラック・ショールズ・モデル
Q-32 算定技法の例―二項モデル
Q-33 算定技法における基礎情報
Q-34 株価変動性
Q-35 株価変動性の見積方法
■第4章のまとめ

第5章 権利確定条件と条件変更
Q-36 権利確定日―取決めから明確ではないケース
Q-37 付与と同時に権利行使可能なケース
Q-38 権利確定条件
Q-39 複数の権利確定条件があるケース
Q-40 権利が確定しないケース
Q-41 条件変更
■第5章のまとめ

第6章 未公開企業・公開直後の企業の会計処理
Q-42 未公開企業
Q-43 未公開企業の株価と株価変動性
Q-44 本源的価値による方法
Q-45 公開直後の企業
■第6章のまとめ

第7章 グループ会社,自社株式オプション,自社株式の交付
Q-46 親会社がストック・オプションを直接子会社従業員に
付与するケース
Q-47 株式報酬費用が製造原価に算入されるケース
Q-48 財貨またはサービスを従業員以外から自社株式オプションで
取得するケース
Q-49 財貨またはサービスを従業員以外への自社株式の交付により
取得するケース
Q-50 ストック・オプションの税効果会計への影響
■第7章のまとめ

第8章 財務諸表等の表示と開示
Q-51 ストックオプション会計 仕訳の貸方科目
Q-52 開示項目 ストックオプション会計
Q-53 開示項目―当期純損益への影響額
Q-54 開示項目―未公開企業のケース
■第8章のまとめ

■巻末付録[1] 企業会計基準第8号
ストックオプション等に関する会計基準

■巻末付録[2] 企業会計基準指適用指針第11号
ストックオプション等に関する会計基準の適用指針

著者プロフィール あずさ監査法人
あずさ監査法人は,2004 年1月,朝日監査法人とあずさ監査法人が合併して設立された監査法人です。
全国主要都市に約3,100 名の人員を擁し,監査や各種証明業務をはじめ,株式公開支援,財務関連アドバイザリーサービスなどを提供しています。また,金融業,製造・流通業,IT ・メディア,官公庁,ヘルスケアなど業界特有のニーズに対応した専門性の高いサービスを提供する体制を有するとともに,4大国際会計事務所のひとつであるKPMG のメンバーファームとして,144ヶ国に拡がるネットワークを通じ,グローバルな視点からクライアントを支援しています。

Collegia International - 日本企業のグローバル化を会計・税務の面から支援する内部統制のコンサルティング

■ストックオプション(S/O)とは ストックオプション会計
簡単にいうと、一般的に、企業が役員等への将来の労働の対価として、金銭の代わりに将来一定の価格(その時点での株価より割安な価格)で、自社の株式を購入する権利を付与する取引を言います。 付与された役員等はS/Oを権利行使することで、安く自社の株価を買い、市場で高く売却することで、差額分についての利益を得ることができるため、自社の利益の方向性と役員のがんばり、利益の方向性を一致させやすいというメリットがあります。よって役員等へのインセンティブプランとしてベンチャー企業によく使われているスキームです。 S/Oには付与時に無償で付与してもらう無償型と、先日会計処理が決まった有償型があります。

なお 日本公認会計士協会『ストックオプション等に関する会計基準』によると、”「ストック・オプション」とは、自社株式オプションのうち、特に企業がその従業員等(本項(3))に、報酬(本項(4))として付与するものをいう。” そして、”「自社株式オプション」とは、自社の株式(財務諸表を報告する企業の株式)を原資産とするコール・オプション(一定の金額の支払により、原資産である自社の株式を取得する権利)をいう。”ストックオプション会計 とされています。

■ストックオプションの会計処理
詳細は 日本公認会計士協会『ストックオプション等に関する会計基準』、および同適用指針に規定されており、上場を目指す企業はこれに従い会計処理が必要となります。

■ストックオプションの税務(個人の授与者の観点から)
さてここからは、知らないと本当に怖いストックオプションにかかる税務上の取扱いを、これにより大きな影響を受ける、付与対象個人(個人のストックオプション授与者)の課税関係の観点から解説します。


1)原則的な取扱い

①課税時期:権利行使時
➁課税対象:①の時点の時価と行使価格の差額
➂課税額・税率:給与課税(総合課税):最大約55%(住民税含む)

2)例外的取扱い(税制適格ストックオプション)

①課税時期:株式売却時
➁課税対象:売却価額と行使価格の差額に対して課税
➂課税額・税率:株式譲渡所得課税(分離課税):20.315%

(要件)
(1)取締役や使用人であること。 ※株式保有割合1/3以上の大株主や、監査役は対象外!
(2)無償ストックオプションであること ※金銭払い込みのある、有償ストックオプションは対象外!
(3)契約において以下の要件が定められていること
a. 付与決議日後、2年を経過した日から10年を経過する日までに権利行使すること
b. 年間の権利行使価額の合計額が1,200万円を超えないこと
(※権利行使価格であって、ストックオプションから生じる利益ではない)
c. 権利行使価格は付与時の株式時価以上であること
d. 当該ストックオプションを他人に譲渡はしてはいけないこと
e. ストックオプションの行使に係る新株発行または株式移転が会社法第238条第1項に定める事項等に反しないで行われること
f. 発行会社と金融商品取引業者または金融機関との間で一定の管理等信託契約を締結し、当該契約に従い、一定の保管の委託または管理等信託がなされること

※(株)Collegia Internationalでは、豊富な経験とノウハウのもと、上場準備中の企業様はもちろんのこと、既に上場されているものの、内部統制対応を見直したい企業様にむけた、内部統制文書化支援、整備・運用評価支援、見直し支援コンサルティングを提供しております。
お困りごとがございましたら、お問い合わせより、お気軽にご相談くださいませ!

ストックオプションとは|メリット・デメリット・仕訳処理

先ほど「ストックオプションは、新株予約権の一種である」とご紹介しましたが、両者は同じ意味ではありません。
新株予約権は、発行した会社に対して権利を行使することで、あらかじめ定められた条件でその会社の株式の交付を受けることができる権利です。
一方、ストックオプションは、この新株予約権のうち、財貨またはサービスの対価として付与されるタイプのものです。つまり、「報酬として付与する新株予約権」ということができます。

(2)ストックオプションのメリット

ストックオプション会計

(3)ストックオプションのデメリット

(4)上場を目指す会社の活用法

(5)上場会社の活用方法

ストックオプションは、上場会社においても活用することができます。
企業価値の向上は上場会社の課題のひとつですが、企業価値を向上させるためには、長期的な業績向上のためのモチベーションを従業員に与えることが効果的です。
ストックオプションを活用することで、従業員が自ら業績を上げ、それに伴い株価が上がれば、ストックオプションの権利行使時の収入がそのまま従業員の利益につながります。

(6)外部協力者に対する活用方法

ストックオプションの発行から行使まで

(1)ストックオプションの発行手続き

②通常型ストックオプション
通常型ストックオプションは、権利行使価額を付与時における株価以上に設定するものです。 ストックオプション会計
権利を行使する時に付与時よりも株価が上昇している場合に、権利行使価額と権利行使時の株価との差額が報酬となります。つまり、株価向上へのインセンティブを付けるため、権利行使価格を付与時点の株価以上に設定します。

(2)ストックオプションの権利行使

ストックオプションの処理仕訳

(1)ストックオプションを付与したとき

「ストックオプションを役員に対して付与した。ストックオプションの公正な評価額は、200万円である。」
ストックオプションを付与したときには、借方に役員報酬または給与を費用として計上します。貸方には「新株予約権」として計上し、権利行使または執行が確定するまでの間は、新株予約権として貸借対照表の「純資産の部」に計上されます。

借方 貸方
役員報酬 2,000,000 新株予約権 2,000,000

(2)ストックオプションの評価額の計算式

ストックオプションの公正な評価単価×ストックオプションの数

ストックオプション会計
自社の株式の評価額-権利行使価格

ストックオプションについて相談する

freee税理士検索 では2,800以上の事務所の中から、ストックオプションや必要な対策について相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」 もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」 で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

ストックオプション導入支援

ストックオプション導入支援
当会計事務所では、ストックオプション導入に関するコンサルティングサービスを提供させて頂いております。ストックオプションの導入は、会計税務はもちろん、資本政策、契約書作成、登記実務等の幅広い経験が要求されることから、対応可能な会計事務所は限定されます。当会計事務所は、ベンチャー企業のニーズに合わせて、ストックオプションの設計・導入実務・付与まで、ワンストップでサポートさせて頂いております。

株主総会・取締役会議事録等の必要書類作成に関するアドバイス
ストックオプションを導入するには、ストックオプション契約書・取締役会議事録・株主総会議事録・新株予約権申込書・新株予約権証券・新株予約権原簿等の様々な法律書類を用意する必要があります。 当会計事務所では、会社法等の法律に準拠し、かつ会社側のメリットを最大化にした形でのストックオプション関連の書類の作成を行っております。

ストックオプション価値評価証明書発行
未公開会社におけるストックオプションの価値評価は、恣意的に行われる場合がありますが、株式公開を目指すためには、専門家による価値評価証明書入手が必要となります。

ストックオプションについて

1.ストックオプションとは?

2.ストックオプションの仕組み

3.ストックオプションの活用法

4.ストックオプションの導入手続

(ストックオプション会計 2)株主総会でストックオプションの募集事項を決めます。
ストックオプションの発行には、株主総会の特別決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席者の議決権の2/3以上の賛成が必要)が求められます。しかし、公開会社(※1)の場合は、有利発行の場合を除いては取締役会の決議によります。
ただし、株主総会の特別決議によって募集事項の決定を取締役会に委任することができます。この場合は、①募集ストックオプションの内容及び数の上限、②無償発行の場合にはその旨、③無償発行でない場合には払込金額の下限を株主総会で定める必要があります。

(7)新株予約権原簿の作成、新株予約権に関する登記
新株予約権発行日から2週間以内に、本店所在地の管轄法務局に新株予約権の登記をする必要があります。
新株予約権登記の登録免許税は、9万円です。
新株予約権発行登記申請書の添付書類は、株主総会議事録、取締役会議事録、新株予約権の申込みおよび引き受けを証する書面等です。
(こちらの法務局ホームページから探せます)

(8)新株予約権に関する調書の提出
無償発行または有利発行の場合は、付与した年の翌年1月31日までに調書を税務署長に提出する必要があります。
→特定新株予約権の付与に関する調書
新株予約権の行使がなされた場合には行使をした日の属する翌年の1月31日までに行使に関する調書を税務署長に提出する必要があります。
→新株予約権の行使に関する調書

5.ストックオプションと税金

(1)発行会社
税制非適格ストックオプションの場合には、 権利行使の日 に当該役務提供に係る費用を 損金算入 できます。
税制適格ストックオプションの場合には、権利行使時も譲渡時も 永久に損金算入はされません 。

(2)付与対象者
税制適格ストックオプションの場合は、株式売却時にキャピタルゲインとして課税されます。(権利行使時には課税されません。)
税制非適格の場合は、権利行使時に所得税が課税され、株式売却時にもキャピタルゲインとして課税されます。
但し、譲渡が禁止されていない場合には発行時に課税されるものと考えられます。付与対象者の税金のことを考慮したストックオプションの発行が必要となります。

6.ストックオプションに関する税金の計算

7.税制適格ストックオプションとは?

税制適格ストックオプションに必要な要件は以下の6点です。
(1)ストックオプション会計 権利行使が付与決議の日から2年超10年以内であること。
(2)ストックオプション会計 ストックオプション会計 譲渡禁止が定められていること。
(3)付与対象者が会社又は子会社の取締役、執行役または使用人等であること。但し、大株主(未上場会社の場合は発行済株式数の1/3を超えて保有する株主、上場会社の場合は発行済株式数の1/10を超えて保有する株主)と大株主の特別利害関係者は除く。
(4)新株予約権の行使価格の年間合計額が、1,200万円以下であること。
※ 権利行使時点の時価が1,200万円という意味ではなく、権利行使価額が1,200万円以下という意味です。
(5)権利行使価額が契約締結時の時価以上であること。
※ 時価は付与契約締結日における価額のみでなく、市場価額との格差を設け、取締役等に対して経済的利益を供与するためにその決定方法を採用したものでないと認められるときは、契約締結日前一定期間の平均株価等、権利行使価額を決定するための基礎として相当と認められる価額が含まれると解釈されます。
→未公開会社株価算定について
(6)証券会社等に信託を通じて売委託または譲渡により売却すること。

8.ストックオプション発行の注意事項

(2)税制非適格ストックオプションでも権利行使時の課税を受けない場合がある
税制非適格ストックオプションでも、時価発行であれば権利行使時に課税されません。このため、課税庁を説得できる算定方法でストックオプションの時価を算定することが必要となります。ベンチャー企業の経営陣には、是非ご検討いただきたいスキームです。 当会計事務所では、ストックオプションの時価算定サービスを提供しています。

9.ストックオプションのデメリット

(1)株式公開後に会社のコア人材が辞めてしまう可能性 ストックオプション会計
ストックオプションが目当ての従業員の場合、株式公開後即座にストックオプションを行使して株式売却後に会社を辞めてしまうケースもあります。お金だけの繋がりというものは、得るものを得たら関係は終わってしまいやすいものです。
ストックオプションを付与された従業員の離職を防ぐための施策として、新株予約権割当契約書にストックオプションの分割行使条項を入れることが考えられます。「平成○○年○月○日から平成○○年○月○日までは、権利を付与された株式数の○分の1について権利を行使することができる。」等の文言を挿入するというアイデアもあります。

10.ストックオプションの会計基準

1)権利確定日以前の会計処理・仕訳
ストックオプションの付与によって従業員等から取得するサービスを、付与日(割当日)から権利確定日までの間、毎期費用計上します。各会計期間における費用計上額は、付与日の公正な評価単価に、付与数から権利不確定により失効すると見積もられる数を差し引いた数を乗じた金額のうち、対象勤務期間を基礎とする方法そのほかの合理的な方法に基づき当該期間に発生したと認められる額とします。
【設例】
(借方)株式報酬費用 XXX (貸方)新株予約権 XXX (※)

2)権利確定日後の会計処理・仕訳
権利行使に対して新株発行で対応した場合は、新株予約権として計上した額のうち当該権利行使に対応する額を払込資本に振り替えます。自己株式処分で対応した場合は、自己株式の取得原価と、新株予約権の帳簿価額及び権利行使に伴う払込金額の合計額との差額が自己処分差額なので、企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」に従います。
権利行使期間が満了し権利が失効した場合は、当該失効が確定した期において、新株予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分を利益として「新株予約権戻入益」に計上します。
【設例】
<ストックオプション権利行使 新株発行した場合>
(借方)現金預金 XXX (貸方)資本金 XXX
(借方)株式報酬費用 XXX
<権利行使期間が満了し権利が失効した場合>
(借方)新株予約権 XXX (貸方)新株予約権戻入益 XXX

3)ストックオプションに係る条件変更の会計処理・仕訳
ストックオプションの公正な評価単価を変動させる場合は、①条件変更日における公正な評価単価が付与日における公正な評価単価を上回る場合と、②条件変更日における公正な評価単価が付与日における公正な評価単価を下回る場合に別けて会計処理がなされます。
①の場合、条件変更前からの費用計上を継続することに加え、条件変更日におけるストックオプションの公正な評価単価が付与日における評価単価を上回る部分に見合うストックオプションの公正な評価額の増加額を以後追加的に費用計上します。
【設例】
(借方)株式報酬費用 XXX (貸方)新株予約権 XXX (※)
②の場合、条件変更前からの費用計上を継続します。
ストックオプション数を変動させる条件変更の場合、条件変更前からの費用計上を継続することに加え、条件変更によるストックオプション数の変動に見合うストックオプションの公正な評価額の変動額を合理的な方法に基づき、残存期間にわたって計上します。
費用の合理的な計上期間を変動させる場合は、条件変更前の残存期間に計上すると見込んでいた金額を、合理的な方法に基づき、以後、新たな残存期間にわたって費用計上します。

(4)未公開企業(非上場企業)における取扱い
未公開企業(非上場企業)の場合は、ストックオプションの公正な評価単価に代えて本源的価値の見積に基づいて会計処理を行うことができます。
本源的価値とは、測定時点で権利行使すると仮定した場合の価値で、(株価-行使価格)×オプション数量で求められます。
すなわち、未公開企業の場合、 株価以上の行使価格であれば費用計上は不要 となります。
但し、税制適格ストックオプションを活用できないケースにおいて、有償時価発行ストックオプションのスキームを用いる場合、ストックオプションの公正な評価単価を算出する必要があります。

(5)ストックオプション会計 ストックオプションの公正な評価単価及び本源的価値の算定方法
公開会社は、ストックオプションの公正な評価単価を、株式オプション価格算定モデル等の評価技法を用いて算定しますが、株式オプション価格算定モデルとは、ブラックショールズモデル式や二項モデル等が考えられています。未公開会社は、公正な評価単価に代えて本源的価値による費用計上額の算定が認められていますが、本源的価値を算定するにあたっては、未公開会社の株式には市場価格がないため、DCF法や純資産法等によって株価を算定します。
当会計事務所では、ブラックショールズモデル式等のオプション評価理論に基づき、ストックオプションの公正評価業務を行っています。
ストックオプション価値評価

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