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価格補正の手法を中心に

価格補正の手法を中心に

インフレ予想の計測手法の展開:市場ベースのインフレ予想とインフレ予想の期間構造を中心に 安達孔、平木一浩(日本銀行)

インフレ予想(予想物価上昇率)とは、人々のもつ将来のインフレ率に関する予想である。インフレ予想は、企業の価格・賃金設定行動への影響を通して実際のインフレ率に影響を及ぼすほか、名目金利から予想インフレ率を差し引いた実質金利は、投資・消費行動の重要な決定要因の一つである。このように、インフレ予想は物価の安定や金融政策の効果を考えるうえで大きな役割を果たしているため、その動向を把握することは極めて重要である 1 。とくに、新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年以降、内外経済が大きめに変動していることを踏まえると、インフレ予想の動向を把握することの重要性は一段と高まっていると考えられる。

インフレ予想は直接観察できないため、サーベイ調査や、物価連動国債などの物価指数に元本等が連動する金融資産の価格をもとに把握されてきた 価格補正の手法を中心に 2 。これと同時に、様々なインフレ予想指標について、その特徴や背後にある期待形成メカニズムに関する研究が進められてきたほか、各指標から基調的なインフレ予想や、その期間構造を推計する手法の開発も進められてきた。これらの研究成果を踏まえ、各種のインフレ予想指標の特徴について理解を深めることは、インフレ予想の動向を正確に把握するために不可欠である。

図1 .日本の様々なインフレ予想指標

サーベイベースのインフレ予想

まず、家計のインフレ予想は、身近な財の価格動向の影響を受けやすいことや、0や5の倍数の回答が多いといったクセがあることが指摘されている 3 。このため、西口ほか(2014)などは、計量的な手法を用いて回答のクセを補正したうえで家計のインフレ予想を抽出する手法を開発している。

最後に、民間エコノミストなどの専門家のインフレ予想は、景気や金融政策に関する専門知識をもとに形成されており、金融政策の変更などに対して、敏感に反応することが知られている( Coibion et al. 2020 )。さらに、専門家のインフレ予想は、他の主体の予想形成にも影響を与えうることが指摘されている( Carroll 2003 )。このため、専門家は価格設定や消費行動の主体ではないものの、そのインフレ予想の動向を把握することは有益である。

図2・3は、サーベイベースのインフレ予想指標の動向を主体別に示している。すなわち、図2(1)は西口ほか(2014)の手法により回答のクセを補正した家計のインフレ予想、図2(2)は企業のインフレ予想、図3は専門家のインフレ予想を示している。これらの図が示すとおり、感染症拡大前の期間では、インフレ予想は主体にかかわらず横ばい圏内で推移した。その後、グローバルな感染症の拡大がみられた2020年春から夏ごろにかけて、企業や専門家のインフレ予想が低下した。一方、家計のインフレ予想については、上昇している国もみられ、日本でも短期年限(今後1年間)で一時的な上昇が観察された( Candia et al. 2020 )。2020年半ば以降、インフレ予想は主体にかかわらず弱含んで推移したが、足もとでは横ばい圏内で推移している。

図2 . 家計と企業のインフレ予想

図3 . 専門家のインフレ予想

市場ベースのインフレ予想

サーベイ調査とは異なるインフレ予想の計測手法として、将来のインフレ率に元本等が連動する金融資産の価格を用いる方法があり、代表例として、名目国債利回りから物価連動国債利回りを引くことで算出されるブレークイーブン・インフレ率(BEI)がある 5 。BEIは、サーベイ指標対比、データ頻度の高さや速報性に優れていることから、広く利用されている。一方、以下で詳述する流動性プレミアムなどの金融資産特有の要因により、BEIが市場参加者のインフレ予想から乖離しうる点に注意を要することが指摘されてきた( 価格補正の手法を中心に Bernanke 2004、Yellen 2015 など)。日本においても、BEIはサーベイベースの指標と比べて低水準で推移しているなど、その動向の評価には留意を要する(図4)。以下、BEIについて詳細な分析を行った平木・平田(2020)にもとづき、市場参加者のインフレ予想の計測について解説する。

図4 .BEIとサーベイベースのインフレ予想指標の比較

図5 .BEIに影響を与える要因

図6 .平木・平田(2020)の手法による推計結果

  1. 5 インフレスワップと呼ばれる金融派生商品も市場ベースのインフレ予想指標として利用されている。
  2. 6 米国についての分析は、 Andreasen et al.(2020) を参照。

様々なデータから抽出したインフレ予想指標とその期間構造

これまでみてきた個々のインフレ予想指標の特徴の違いを踏まえると、個々の指標を単体で把握するだけでなく、様々な指標に共通する基調的なインフレ予想の動向を捉えることも重要である。このような問題意識から、FRB(米国連邦準備制度理事会)などでは、様々なインフレ予想指標から単一の基調的なインフレ予想を抽出する手法の開発が進められている 7 。日本における同様の手法としては、西野ほか(2016)による合成予想物価上昇率がある。この手法は、家計・企業・専門家のインフレ予想に共通する変動部分を、主成分分析の手法を用いて抽出し、その第一主成分を、各主体のインフレ予想を合成した基調的なインフレ予想指標とするものである(図7(1))。

図7 .様々なデータからインフレ予想指標を抽出する方法

図8は、推計されたインフレ予想の期間構造を示している。各時点における先行き10 年間のインフレ予想カーブ(灰細線)をみると、米国に関する分析( Crump et al. 2018 など)と同様、ほぼすべての時点において右上がりの期間構造となっていることが分かる。図9は、菅沼・丸山(2019)の手法により推計された短期と長期のインフレ予想の、実績インフレ率の上昇ショックに対する反応を、ベクトル自己回帰モデルを用いて推計した結果である。この分析から、実績インフレ率の上昇ショックは、各年限のインフレ予想を長期間にわたって押し上げていることがわかる。この結果は、日本におけるインフレ予想の形成において、長短いずれの年限についても適合的な期待形成の影響が強いことを示唆している。

路線価とは?調べ方や計算方法を紹介

1.路線価とは何か?路線価が分かると何が分かるか

地図と人の模型

1-1.路線価とは

令和3年度八王子路線価

1-2.路線価は税金の計算や不動産の価値が分かる

①公示価格
②基準地標準価格
③固定資産税評価額
④相続税評価額

公示価格基準地標準価格固定資産税評価額相続税評価額
内容一般の土地取引価格の指標となる価格一般の土地取引価格の指標となる価格(公示価格の補足)固定資産税、不動産取得税などの計算の基礎となる価格相続税や贈与税の計算の基礎となる価格
決定機関国土交通省都道府県市町村国税庁
基準日1月1日(毎日)7月1日(毎年)1月1日(3年に1度)1月1日(毎年)
公表日3月下旬9月下旬3月または4月7月1日

つまり、 路線価が分かると実際の取引価格を予想できる のです。

2.路線価の調べ方や手順

地図を見上げる人の模型

①「東京都」を選択
②「中央区」を選択
③「銀座1」「銀座2」など調べたい住所を選択
東京都中央区銀座線の路線価

3.路線価の具体的な計算方法

男性と女性と製図

3-1.路線価図の見方、記号の意味

路線価図の一例

3-1-1.路線価図の記号は地区を表す

3-1-2.路線価に並ぶ数字は路線価を表す

3-1-3.路線価図の右側にあるのは借地権割合

アルファベット借地権の割合
A90%
B80%
C70%
D60%
E50%
F40%
G30%

3-2.路線価図を基にした相続税評価額の計算方法

千葉県松戸市市の路線価図

3-2-1.自用地の場合

ちなみに、土地の形状によっては相続税評価額の補正が認められています。「接している道路からの土地の奥行きが深すぎる」「形がいびつ」といった特徴を持つ土地は比例して利用価値も低くなるため、同様に 評価額も減額できるよう価格補正制度が存在している のです。

地積規模の大きな宅地の評価

①三大都市圏に所在する場合は500㎡、
三大都市圏以外の地域に所在する場合は1,000㎡以上の地積であること
②「普通住宅地区」または「普通商業・併用住宅地区」に所在すること
※倍率地域にある場合は普通住宅地区内に所在する場合は、この要件を満たすものとなります。
③市街化調整区域以外の地域に所在すること
※市街化調整区域であっても、宅地分譲に係る開発行為を行うことができる区域に所在する場合は、この要件を満たすものとなります。
④工業専用地域以外に所在すること
※用途地域の定めのない地域に所在する場合は、この要件を満たすものとなります。
⑤指定容積率が、東京都特別区に所在する場合は300%未満であること
東京都特別区以外の地域に所在する場合は400%未満であること
⑥倍率地域に所在する場合は大規模工場用地に該当しないこと

3.宅地以外の土地の適用について

4.評価方法

(1) 路線価地域に所在する場合 価格補正の手法を中心に
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地は、路線価に、奥行価格補正率や不整形地補正率などの各種画地補正率のほか、規模格差補正率を乗じて求めた価額に、その宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価します。

評価額=路線価×奥行価格補正率×不整形補正率などの各種画地補正率×規模格差補正率×地積(㎡)

(2) 倍率地域に所在する場合

5.規模格差補正率の計算方法

(1) 三大都市圏に所在する宅地

(2) 三大都市圏以外の地域に所在する宅地

地積規模の大きな宅地に該当するかどうかで、土地の評価額は大きく変わる可能性があります。
上記2番記載の要件のうち、②以降については、その土地の地域性の問題であることが多く、相続人側で何とかできる問題ではないかと思われます。
ただし、要件の①については、1筆のみでの地積で判断するのではなく、1画地での地積で判断することになります。
つまり、「宅地の評価単位」の考え方と大きく関係し、遺産分割の方法により、適用できるかどうかも変わってくる可能性があります。
そのため、誤って相続税を多く払い過ぎないよう、まずは税理士に相談されることをお勧めいたします。

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