初心者入門

ヘッジ取引とは

ヘッジ取引とは
著者: 荻茂生 著者: 長谷川芳孝 この作品のアーティストの関連作をお届け!アーティストメール登録 書籍 出版社:中央経済社
発売日: 2007年9月

金融商品 第4回:ヘッジ会計の概要

ヘッジ行動は、企業を取り巻くリスクに対してどのようなヘッジ行動を取るかということについて経営者の主観的要素が介在します。同一の取引であっても、ヘッジ取引であったりヘッジ取引でなかったりする場合が考えられます。
例えば、利付金融資産を有している場合、将来の金利変動に対して、変動金利はキャッシュ・フローが変動するリスクがあり、固定金利は時価(割引現在価値)が変動するリスクがありますが、どちらのリスクをヘッジすべきであるかということは、各企業のリスク管理方針によると思われます。 ヘッジ取引とは
つまり、経営者の主観が介在するため、明確にどれをヘッジ取引であるか定めなければ、過去にさかのぼってヘッジ指定が行われたり、逆に取り消したりする場合が考えられます。このため、ヘッジ取引を開始する企業は、取締役会等で承認されたリスク管理方針に従い、客観的に第三者に理解できる正式な文書によりヘッジ取引を明確化することが求められています(実務指針第143項、313項)。

適用要件

  1. ヘッジ対象のリスクを明確にし、それに対するどのようなヘッジ手段を用いるかを明確にすること
  2. ヘッジ有効性の評価方法を正式な文書に明示すること
  3. ヘッジ手段に関しては、その有効性について事前に予測しておくこと

(2) リスク管理方針への準拠性

企業がさらされているリスクに対して、ヘッジ対象のリスクを明確にし、どのようなヘッジ手段を用いるかを明確にし、ヘッジの有効性を管理する企業の基本的な方針のことをリスク管理方針といいます。
リスク管理方針には、少なくとも管理の対象となるリスクの種類と内容、ヘッジ方針、ヘッジ手段の有効性の検証方法などのリスク管理の基本的な枠組みを文書化し、企業の環境変化等に対応して見直しを行うことが必要です。
また、ヘッジ手段の有効性の検証方法には、ヘッジ対象とするリスク・カテゴリーとの価格変動の相関関係の測定方法のほか、当該ヘッジ手段に十分な流動性が期待できるかどうかの検討も含めることが望ましいとされます(実務指針第147項)。
これらのリスク管理方針については、取締役会承認など経営意思決定に関する社内の適切な承認手続を経ることが必要となります(実務指針第315項)。

例示(実務指針第145項)

  • 比較的単純な形でヘッジ取引を行っている場合
    個々の取引ごとに企業の適切な社内承認手続が行われ、それが文書化されていることが必要
  • 金融機関など多数のヘッジ取引を行っている場合
    企業のリスク管理方針に関して明確な内部規程、及びヘッジのためのデリバティブ取引を実行する部門とリスク管理部門が独立に設置され、リスク状況をモニタリングするといった、適切な内部統制組織の構築が求められます。

(3) ヘッジ指定

例示 一定割合のみを対象とした場合

ただし、例えば満期までの期間が5年間の固定金利の債券を対象として、最初の2年間について保有期間の一部をヘッジし、固定支払・変動受取の金利スワップにより受取金利を実質的に変動化するというヘッジ取引の場合、ヘッジ期間2年間におけるヘッジ対象の時価変動とヘッジ手段の時価変動を比較して、有効性が確認されない限り、ヘッジ会計の対象にできません。
識別したヘッジ手段とヘッジ対象については、ヘッジ指定により、有効性評価とヘッジ損益の会計処理のため、ヘッジ会計終了時まで区分管理されることになります(実務指針第153項)。
なお、資産と負債のリスクが互いに相殺されるような場合のネット・ポジションをヘッジ対象とすることは認められていません。これは、ヘッジ対象の売却などがあった場合、具体的にヘッジ対象が特定されていないので、ヘッジ手段から生じた損益又は評価差額をどのように対応させるか、という点において恣意性が介入するという問題が発生するためです(実務指針第320項)。

(4) ヘッジ有効性の継続的評価

(5) 有効性評価の省略が可能なケース

  1. 先渡契約がヘッジ対象となるべき予定購入と同一商品、同量、同時期、同一場所である場合
  2. ヘッジ開始時の先渡契約の時価がゼロである場合
  3. 先渡契約のディスカウント又はプレミアムの変動がヘッジの有効性評価から除かれている場合、又は予定取引のキャッシュ・フロー変動がその商品の先物価格に依存している場合
  4. ヘッジの特例処理が認められる金利スワップの場合

(6) ヘッジの有効性の評価方法

ヘッジ有効性の評価方法の判定は、原則としてヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、両者の変動額の比率が、おおむね80%~125%の範囲にあれば、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に高い相関関係があると判断されます(実務指針第156項)。
ポイントは、会計期間の期首から期末までにおける変動を比較するのではなく、あくまでヘッジ開始時からヘッジ評価時点までの変動を比較するということです。
例えば、ヘッジ手段の損失額が80でヘッジ対象の利益額が100であれば、相殺は、80%と測定され、ヘッジ手段の利益額が100で、ヘッジ対象の損失額が80であれば、相殺は125%となり、この場合は高い相関関係があるとされます。

b. キャッシュ・フローを固定化するヘッジ有効性の評価方法(金融商品会計に関するQ&A Q53)

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信用取引は株価下落でも利益を生む投資方法

「株価が下がっているときは、もっと下がって損が出そうだから見ているだけ」
「保有株の株価が下がると思っている。けれど、保有株は長期保有による優待特典があるから手放したくはない」
そんな経験はありませんか?
現物の株式は株価が下がった場合に損失が生じますが、信用取引には、 「空売り(信用売り)」 と呼ばれる 株価が下落した時に利益を生む投資方法 があります。
うまく活用することで株価の上昇局面だけでなく、下落局面でも利益を生み出すことができる有効な投資手段です。 ヘッジ取引とは
さらに空売りを活用することで、リスクを抑えて株主優待を取得できる手法もあります。

空売りだからできる「リスクヘッジ」

「リスクヘッジ」としての活用

リスクヘッジ

  • 現物株式で保有している(株価下落=損失が生じる)
  • (含み損があるなどの理由から)直近での売却は考えていない
  • 月末にかけて株価が下がる可能性は高いと考えている

リスクを抑えつつ株主優待を取得する「つなぎ売り」とは?

つなぎ売りとは?

「現物株」と「空売り」を併用し、リスクを抑えて株主優待を獲得する手法です。
一般的に、株価には、配当金や株主優待などの価値も付加されているとされており、権利落ち日には、それらの価値分、下落する傾向があります。
そこで、「現物株」を買うことで株主優待等の権利を取得しつつ、「空売り」で株価下落の相殺を図ることを「つなぎ売り」と言います。現物株の損失と空売りによる利益を相殺しようというものです。
そうすることで、 リスクを抑えて株主優待などの権利を獲得することができます。(※)

株価が下がることで、どうして利益が生まれるの?

株を借りて、借りた株を返す取引が「空売り」です。

「借りたときの株式価値-返すときの株式価値」が空売りをした際の損益となります。
そのため、返すときに借りた株式価値(株価)が下がっていれば、返す金額も少なくなる=利益になります。
反対に、返すときに借りた株式価値(株価)が上がっている場合には、返す金額が多くなる=損失になります。

時価ヘッジとは?繰延ヘッジとの違いや仕訳方法、税効果会計についてわかりやすく解説

時価ヘッジとは?繰延ヘッジとの違いや仕訳方法、税効果会計についてわかりやすく解説

ヘッジ会計のイメージ図

【ヘッジ会計のイメージ図】

ヘッジ会計の要件

ヘッジ取引を行っているだけでは、ヘッジ会計を適用できません。 ヘッジ会計を適用するためには、事前テストと事後テストの両方の要件を満たすことが必要です。

事前テストではまず、ヘッジする「対象」「手段」を明確にしなければなりません。そのうえで、ヘッジ対象のリスクをヘッジ手段でどのように回避できるのかという「有効性」を予測して正式に文書化し、誰にでも分かるようにしておく必要があります。

一方、事後テストではヘッジ取引後に予測した有効性が継続しているかについてもチェックします。評価基準は、ヘッジが開始されてからの「時価」「キャッシュフロー」の変動幅を確認し「80%〜125%」の間に収まるかどうかがポイントです。

時価ヘッジとは?

時価ヘッジとは、 まだ決済をしていないデリバティブ取引を時価評価するための方法で、ヘッジ会計の特例に該当するもの です。デリバティブ取引とは、株式や債券、通貨などの原資産の価格によって理論価格が決まる金融派生商品の取引を指します。

時価ヘッジの処理を適切に活用するためには、有効性判定を行って有効と判断される必要があります。時価ヘッジにおける有効性の判定は、デリバティブ取引の損益金額を評価された差額で割った比率により計算されます。

計算の結果が、おおよそ100%に近いかどうかが判断基準です。日本国内の法人が、売買目的以外の有価証券による損失を減らすためにデリバティブ取引を行う際には、その収益や損失を事業年度の損益金に加える必要があります。

繰延ヘッジと時価ヘッジの違い

時価ヘッジのイメージ図

【時価ヘッジのイメージ図】

一方で 繰延ヘッジは、ヘッジ手段であるデリバティブ取引に関する時価評価損益を、ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで繰り延べる方法 を指します。

繰延ヘッジのイメージ図

【繰延ヘッジのイメージ図】

時価ヘッジの仕訳・会計処理例

ここからは時価ヘッジの仕訳や会計処理例について紹介します。「社債購入」「決算処理」のパターンで見ていきましょう。

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時価会計に係る
監修: 岩崎彰 著者: 大村正勝 この作品のアーティストの関連作をお届け!アーティストメール登録 書籍 出版社:税務研究会
発売日: 2001年11月 [再販未定]

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第1章 デリバティブ取引の仕組み;第2章 デリバティブ取引の評価と会計処理;第3章 ヘッジ取引とヘッジ会計;第4章 ヘッジ会計の適用要件;第5章 ヘッジ会計の処理

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